【雑記】ヤッホーブルーイングのビール4種類飲み比べ
ヤッホーブルーイングとは、星野リゾートが運営するビールメーカーである。
以前星野リゾート関連の本を読んでからというもの、1度勉強のために星野リゾートへ行ってみたいという欲求が強い。
とはいえ、そんな時間も金も哀れな社畜たる俺には無い。
だったらせめて、ヤッホーブルーイングの作るビールの検討くらいはしてやろうじゃないか。
星野リゾートがヤッホーを経営するに当たって、従業員と社長との間にこんなやり取りがあったと「教科書」には書いてあった。
従業員「社長、地ビール業界は今やロングテール。少量多種生産こそがメジャーな戦術です。ヤッホーでもいくつかの種類を用意して、ニッチな顧客も幅広くカバーしましょう。」
社長「いや待て落ち着け。そもそもヤッホーは知名度も無いし、代名詞となるようなビールが存在しない。まずは1種類だけに絞って提供し、お客様に我々のブランドへの愛着を持ってもらおう。」
そうして完成したのが「よなよなエール」であり、この商品は現在も根強いヒットを続けている。
いやちょっと待ておかしいだろ。
俺の手元には、ヤッホーブルーイング製のビールが4種類もあるぞ。
どうなってんの!!
言ってることとやってることが違うぞ!!
もういい俺が全部飲んでやる。検討してやるゥ!!
アルコール5.5%。
あまり酒を飲まない俺の高校時代の友達が「よなよなエールは美味い」と豪語していたのは、未だに覚えている。
確かに美味い。
缶には、適温は13度ですと書いてある。
この点で斬新だ。ビールは冷えてないと美味くないという固定観念に挑戦している。
温くするということは、香が華やかになるということであり、単純な喉越しではなく味わいで勝負するという意思表明である。
よく飲み屋にあるような喉越ししか能の無いビールとは違うぞ、というアピールだ。
色は濃い目でブラウン感があるし、飲み口が軽めながら後味はしっかりとしていて華がある。
温くなると香りがよく広がるようになって、確かに13度くらいが適温かもしれない。
素直に美味しかった。流石といえる。
②僕ビール、君ビール
アルコール5%。
謎のタイトルに謎のカエル。
見るからに軽そうな謎ビール。実際軽かった。
生活に色を加える新しいビール体験を提供したいと書いてある。
セゾンスタイル?とかいう種類?らしい。
ベルギー発祥の低アルコールビールなんだとか。ふーん。
全体的に軽くて2~3杯くらいなら無意識になくなってそうな味だった。
あと後味が麦っぽくて、これは好き嫌いがわかれるかも。
③インドの青鬼
アルコール7%。
濃かった。重かった。
飲み口も重いし後味も重い。
コップに注いだ後にちょっと缶に残ったアレを啜っただけでもわかる重さ。
正直ちょっと飽きる。
でもここまで重いビールってあんまりないかも。ハマる人はハマるんじゃなかろうか。
アルコール4.5%。
これまた軽かった。
形容しがたいまろやかな味わいだった。
オレンジピールとシナモンが使われていると書いてある。
言われてみればそんな気もする。
【総評】
味について言えば
「教科書」に書いてあるだけあって、よなよなエールは美味しかった。
他のは個人的には、ふーんって感じ。
それぞれ個性があって、同じような印象を受けるビールが無かったのは素晴らしい。
よなよなエールが成功したのを受けて、被らないように注意しながら様々な種類を開拓し始めたんだろうか。
俺が注目するのは、缶のデザインがそれぞれ全く関連が無いように見えることだ。
地方に行って地ビールを買おうと思うと、同じデザインやマークをベースに、色を変えることで種類の違いを表示している。地方限定販売というのであれば、お客様にはブランドをよく覚えておいてもらわないといけないので、それで合理的だろう。
とはいえ全国販売の場合でも、それは変わらないんじゃなかろうか。実際、キリンやサッポロやアサヒなどはそういう系統だ。あのマークを見れば、一発でブランドが判別できる。
この事実からわかるのは、ヤッホーは「ヤッホー」という総合的なブランドを売るつもりはなくて
あくまで商品1つ1つで、全く違ったブランドを売り出そうという戦略を取っているということである。
実際②や④は、俺も手に取って会社名を確認するまでヤッホーブルーイング製とは気づかなかった。
そうであるなら、当然それぞれの商品の味で差別化することが求められるし、缶のデザインだって全く変わってくる。
いわゆる「ブランド・ポートフォリオ戦略」というやつだ。
なるほど。
星野社長が意図してこういう教科書的な戦略を採ったのか、それとも偶然なのかはわからないけど
一応そういう路線らしいというのはわかった。
個人的には、それぞれのビールの売り上げの推移が知りたいところだけど
そりゃ無理か。
ヤッホーで働くか、酒屋で働かなきゃ無理だよね。
↓参考書籍