Rootport/女騎士、経理になる
【小説版】 女騎士、経理になる。 (1) 鋳造された自由 (一般書籍)
- 作者: Rootport
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2016/07/01
- メディア: Kindle版
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俺も最近経理になった。
つまり俺も、いや、私も女騎士だ。
私はこの作品に出てくる女騎士さんとは違い、会計の知識はそこそこだが、剣の腕前は素人に毛が生えた程度。
私も仕事でミスった時はわりと頻繁に「くっ...殺せ!」と思っている。
同じ女騎士として、私も日々鍛錬を積んでいこうと思う。
作中に出てくる会計の話は、簿記3級でも初歩の初歩。複式簿記とはなんぞやから始まって、B/SとP/Lについての簡単な解説。会計面で我々を導いてくださるダークエルフさんが、時折損益分析や為替手形など、簿記2級レベルの少し難しい話を出してくる程度だ。だからそんなに肩肘張らず、気軽に会計ファンタジーを楽しむことができる。絶妙な塩梅だと思う。
読んでて感心するのは、この作品は中世ヨーロッパをベースとした舞台であるため、私たちの地球で営まれていた中世ヨーロッパの時代をキチンと踏襲して書かれている点だ。
例えば、こんなセリフがある。
黒エルフ「なんか怪しいわね〜。外科治療もできないのに髪が切れるの?」
これは、今で言うところの美容師の仕事が、中世では外科医の仕事の一部だったことに基づいている。他にも、活版印刷を発明するドワーフの名前がグーテンベルクだったりそもそも複式簿記の勃興も中世イタリアが始まりであったことを考えると、この作品の舞台設定は合理的というか、腑に落ちるところがある。
実はもう既に2巻に取り掛かっているけど、会計の話の割合は1巻に比べて少ない。中世ヨーロッパの歴史を擬えるように物語を進めるようで、ロリババアのケプラーとか出てくる。続きが楽しみでならない。
私も新入社員に研修する際には、とりあえず女騎士としての自覚を持ってもらうところから始めようと思う。