パトリック・ハーラン/ツカむ!話術
以前、池上彰の本でこのパックンの話が出ていた。
パックンといえばたまにテレビで見るくらいだったけど
この本で
パックンがハーバード大学出身であること
ハーバード大学は教養こそメインで教えていること
ハーバード大学は文系理系の垣根が無く、全員が話術を仕込まれること
が書いてあった。
知りたい。
俺もハーバード行きたい。
そんな俺を狙いすましたかのようなこの本。
読まずにはいられない。
この本は、ビジネス書として非常によくできていた。
標語が非常にシンプルなので頭に残りやすいし、会話調なので理解しやすい。
この本の言わんとすることは、目次にも出てくるようにこの3つである。
「エートス」「パッション」「ロゴス」
この3つを兼ね備えることが、人を説得するために必要なことらしい。
これはあれだ。
アリストテレスの「弁論術」だ。
- 作者: アリストテレス,Aristotelis,戸塚七郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1992/03/16
- メディア: 文庫
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世界最高峰の大学で古代ギリシャの知恵が未だに現役であるというこの事実に、まずは圧倒される。
じゃあアリストテレス読めよって話だけどもまぁそれは置いといて。
この中でも特に俺が注目したのは「エートス」だ。
「エートス」ってのは、説得力とか信憑性とか
こいつの話なら聞いてやろうかなって気にさせるような背景というか舞台というかそういうもんらしい。
これが無ければ全て台無し。
路上で募金を呼びかけるのと、ミュージシャンがチャリティーコンサートやることの差はここにある。
当然、後者の方が効果は圧倒的だ。
「エートス」という観点から俺は最近、あるテレビ番組を非常に気に掛けている。
マツコ・デラックスは凄まじい。
日常ではまずお目にかからないようなあの巨体でありつつ、あのダルさ。
テレビに出ているとは思えないあのモワっとした空気感。
そのマツコが、毎週、俺たちの世界でも身近でありながら全く気にしないような
超ニッチ市場のオタクを招いて商品を紹介したりする。
俺はこの番組を見た後、アマゾンで商品を検索することが多い。
あのテレビという異質な空間を塗り潰すような「親近感」は、マツコが産み出す「エートス」といえる。
ゲストに呼ばれるのがちょっと頭オカシイ一般人という点も、その「エートス」に拍車を掛けている。
まぁ要するに
何か聞いたり見たりして
「あっ、ちょっとアマゾンで検索しようかな」
と思ったお前は、既に死んでいるのだ。