池上彰/池上彰の教養のススメ
俺は、Fラン大学の出身だ。
そもそも俺が勉強の楽しさに目覚めたのは、大学院の頃である。
大学院で専門の研究をしていた俺は、気付いた。
「吾輩には、教養が無い」
それ以来というもの、無教養コンプレックスに囚われていた。
大学受験をもっと頑張ってれば、基礎的な知識くらいは身に付いていたであろうに。
なんと間抜け。
そして読んだのが、この本。
俺のために存在するかのような本だった。
この本を要約すると、以下の通りである。
「これからの世界を担う知識人とは、単に知識を持ってるだけじゃダメなんです。その知識を使って如何に状況にコミットメントできるか、社会に貢献できるかが問われているのです。未知の事に挑戦するのに役立つ武器は、教養しかありません。だから皆さん、専門分野という狭い世界に拘泥せず、様々な知識を貪って下さい。」
この本の内容は、東工大で行われた特別講義を書き起こしたものらしい。
会話調なので、非常に読みやすい。
教養とは、一口に言えば
「役に立たない知識」
である。
即戦力が会社に求められる昨今、例えば古代ギリシャ哲学とか生物学とか勉強したってなんの役にも立ちゃしない。
そんな暇あったら英単語の1つでも覚えろ。
気持ちはまぁわからんでもない。
しかしそんなことをしたところで、今より良い明日を作れる人間など現れないのである。
ごく一部の天才ならわからんが、我々のような世間一般の凡人にはまず無理である。
だからこそ教養を蓄えろ。
四の五の言わずに本を読め、とこの本には書いてある。
この指針は圧倒的に正しい。
2つの事実がこれを証明している。
- 作者: ジェームス W.ヤング,竹内均,今井茂雄
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 1988/04/08
- メディア: 単行本
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これだ。
前も取り上げたことがある。
このマイ聖書には、こう書いてある。
「アイデアとは、異なる2つ以上の要素の組み合わせである」
生まれたアイデアの希少性が高ければ天才と呼ばれ
それを実現すれば、イノベーションと呼ばれる。
あらゆるアイデアは、この原則に沿ってしか産み出されない。
だからこそ「アイデアの素」となる知識は、多ければ多いほど良い。
②歴史
ある物事を、表面的な部分のみでなく、その設計思想や趣旨まで理解しようとすれば
歴史と向かい合うことは避けられない。
そして、歴史に向き合ったことのある人なら必ずこう感じる筈である。
全ての物事は、大きな歴史の流れの一側面に過ぎない。
歴史というのは常に多面的だ。
1つの現象に関して考えてみても、必ず2つ以上の側面が存在する。
戦争における戦勝国と敗戦国とか
同じ時代のヨーロッパとアジアとか
これらを多面的に理解するのは、正に教養である。
物事を深く理解するには歴史と向き合わなくてはならず
歴史と向き合うということは、複数の側面から物事を考えるということになる。
初対面の人と話す時って、まず出身地とかから聞くじゃん?
可愛い女の子の経験人数とか気になるじゃん。
そういうことだよ。
以上のような理由から、無駄な知識を身に付けるというのは完膚なきまでに有意義である。
俺は日々読書に励んで知識を貪っているけれど
そんな俺の信念を強化してくれるような本だった。
最近はインプットしすぎて頭が便秘みたいになってきたので
こうやってアウトプットも始めてみた次第である。
まぁ何にせよ、勉強は楽しい。
俺もオッサン臭くなったもんだ。