佐藤健太郎/炭素文明論
大いなる「C」。
人類の歴史の中には、後世に決定的な差異を与えるターニングポイントがいくつかあるもんだが
その歴史の大部分に「炭素」が関わってるんだYO!
という本だった。
な、なんだってー!
俺は化学ってのはもうホント、アレルギーが出るくらいに駄目でな。
高校での成績は、常に2だった。
しかし、だからこそ、こういう本を読むと非常に面白くて
興味が湧く。
全く都合の良い話だ。
ろくに努力もせずに本を読んだだけで、面白い部分だけ吸収しようなんて。
でも読書ってそういうもんだよね。
この本で書かれてたことは、ほぼ全面的に知らなかったけれども
その中でも特に目を引いたのは、胡椒や砂糖などの調味料に関する歴史だった。
俺は歴史は好きだ。
その歴史に、こういった全く自分が省みてこなかった部分からアプローチされると、非常に面白い。
全体的に、人類の歴史を順に追いつつではなく
基本的には順番に沿っているものの
大きな転換点を選び出して、それに有機化合物がどのように関わっていたのかを示すという構成だった。
こういう話はすぐに忘れる。
そもそも炭素について考えたことなんて今までにないし
1つ1つが短く刻まれているので、頭にも残りにくい。
とはいえ、時折思い出すんだろう。
どっか別の話が出た時に
「そういやこれ、炭素の話であったな」
というようになれば、まぁいいんじゃないだろうか。