馬鹿の独り言

物忘れの酷い俺のためだけのブログ

【映画感想】なのはReflectionから振り返るコミュニケーションの大切さ

2012年夏

俺は、映画館で号泣するという初めての経験に戸惑っていた。隣の席がズルズル五月蝿いと思ったら、目が合ったオッサンも号泣してた。

あれから5年。

ついに、待ち望んでいたこの時が来た。

f:id:terayuu:20170724001026j:plain

魔法少女リリカルなのは Reflection 公式サイト

早速見てきた。すげー良かった。

 

リリカルなのはシリーズは、俺に「コミュニケーションの大切さ」を教えてくれる。

世の中で発生する問題には、大きく分けて2種類ある。

①技術的に解決できない問題

何か解決すべき課題があったとして、属する社会にそれを実現できる手段が無い場合である。フェイトのお母さんことプレシア・テスタロッサがぶち当たったのがこの類の問題だ。「死者の蘇生」。

f:id:terayuu:20170724001214p:plain

これについてプレシアが取った手段は、「アルハザード」という高度な技術を持つとされる古代文明を探し当てれば、そこに答えがあるという全く根拠の無い夢想だった。とはいえプレシアも元は善人なので、実行したプロジェクトは、人口生命体「フェイト・テスタロッサ」を造り、ロストロギアを集めさせるという非常に小規模なものだった。無闇に周囲に大損害を与えるようなことはしていない。PDCAも、基本的にはフェイトちゃんイジメるだけだったしな。一応は科学者なのに、このプロジェクト管理の杜撰さは如何なものなのか。

現時点で技術的に不可能な問題についての対応は「新技術の開発に突き進む」「諦めて抜本的にアプローチを変える」の2つに分かれる。プレシアは科学者故に前者を選ぶも、一向に埒が開かずに擦り切れてしまった。その結果として、フェイトちゃんは後者の道を選び、なのは達と共に新しい世界へと足を踏み出したのが「なのは1st」の結末だった。

②技術的に解決できる問題

社会に解決する為の技術は存在していても、問題の当事者にはその技術が無い場合がある。はやてちゃんの従者ことヴォルケンリッターがぶち当たったのがこの類の問題である。

f:id:terayuu:20110222013036j:plain

彼女らの目的は「八神はやてを闇の書の呪いから救う」だったものの、それを実現する手段として、過去に得られた少ない情報から「強い奴らを片っ端からブン殴って闇の書を完成させる」という間違った選択をした。彼女らが犯した失態は、取り返しがつかない程に大きい。

1、善意のなのは達と話をせずに安易に敵対したこと

2、なのは達であれば技術的に解決可能な課題であったこと

3、なのは達の方が課題に対する情報量が多かったにも関わらず自分達の情報のみで判断したこと

4、プロジェクトへの疑問を潜在的に抱えながらも他に手段が無いと思い込んだこと

なのは達がヴォルケンリッター以上の戦力を持ち彼女らを凌ぎ切ったことと、彼女らの敵意をいなす程の大きな善意を持っていたからこそ「ナハトヴァールを消滅させる」という真の課題に到達し、解決することができた。ヴォルケンリッターのみであれば、八神はやては間違い無く死んでいたし、ナハトヴァールが解き放たれて大惨事を引き起こしていたのは間違いない。仮に初期の段階で「自分達には無理です力を貸して下さい」と土下座でもしていたら、あんな派手にドンパチする必要も無かったし俺が映画館で号泣することもなかった。

 

プレシアのような技術の壁は仕方ないとして、ヴォルケンリッターのような問題は世の中にありふれている。問題についてよくよく聞いてみると「コミュニケーション不足」が一番の原因であることが本当に多い。会社で働いていると特にそうだ。これは世間でいうコミュ力とかそういう安易な話ではなくて、もっと根本的な人生に対する向き合い方とか、そういうレベルの話にまで及ぶ大きな論点だと思う。

さて、今回の「なのは3rd」ではどうだったか。

異世界からやってきたキリエちゃんは、まぁ短絡的でアホの子である。

f:id:terayuu:20170724003342p:plain

上記のヴォルケンリッターと同じで、自分だけでは解決できないという認識があるにも関わらず、全部自力でやろうとした。ましてや最初からなのは達に助力を求めるのが必要だと分かっていて、はやてちゃんに「話はとりあえず事務局で聞くから落ち着いて!」と言われても聞く耳を持たず、無用な喧嘩をふっかけては周囲に大損害を齎した。トラックやショベルカーを盗まれた会社の経理の心痛が偲ばれる。俺なら発狂してブチギレてPCを強制シャットダウンする。そんなアホの子は一発殴って言い聞かせるのが有効なので、なのは様も良い仕事をしていた。極太ワイヤーで縛り上げて晒された素肌の肩からアスファルトに叩きつけて引回す。相変わらずエグかった。でも下着が緑で可愛かったので許す。

お姉ちゃんのアミタは、戦い方が本当に豪快で愛に溢れた素晴らしい女性だった。ハードコアだった。

f:id:terayuu:20170724003556j:plain

特筆すべきなのは、彼女が最初から、なのは達に友好的な態度を出してきたことである。力だけ有り余っても社会的に追い詰められた人間が、とりあえず暴力を振り回して八つ当たりをすることはよくある。営業成績が芳しく無い営業部長が部下に当たり散らすのは、サラリーマンなら一度くらいは遭遇したことがあるだろう。その点アミタさんは、ヴォルケンリッターやキリエちゃんとは違い切迫した感じが無かったので、そういう大人の外交をする余裕があったのだと思う。彼女が取ったのは最適解であり、作中でもキリエちゃんに「お姉ちゃんはいつも良い子なんだから」と指摘される通り優等生的な態度と言える。まぁ暴れる妹に協力的な態度を示さず「皆さんにご迷惑だから大人しく帰ろう」の一点張りだったのは正直どうかとは思った。お父さんが死にかけて故郷も滅びそうで、それをどうにかしようと頑張っている妹に対してそれは無いだろうと。

それはそれとして、今作には、今までの劇場版なのはシリーズでは無かった種類の存在が出てくる。

「悪人」である。

1stのプレシアは根本的には善人だったし、2ndのヴォルケンリッターは言うまでもなく善人だし、ナハトヴァールは人格の無いプログラムなので「悪」とはいえない。

それに対し、今作のキーキャラである「イリス」はもうマジでヤバい。

f:id:terayuu:20170724003922p:plain

どんな事情があったのかは来年公開の後編で語られるだろうし、プレシアと同じで根っからの悪人ではないのかも知れない。とはいえ彼女が今作で行ったのは「幼少期からキリエを長年騙し続けたこと」「キリエに偽りの希望を与えて裏切ったこと」の時点でかなり重罪だが、何と言っても「ユーリに復讐する為に彼女以外の人類を皆滅ぼす」という全く脈絡の無い意味不明な復讐方法だ。なんなんだコイツはバカなんじゃないのか。やたら胸元開いたエロいジャケット着やがって。ドキドキするぞ。

ヴォルケンリッターやキリエちゃんは、コミュニケーションをしっかり取ればわかりあえる相手である。しかし、こういう人を騙すような輩は、コミュニケーションを取っても無駄である。この手合いはとりあえず力で捻じ伏せて、無理やり交渉の場に引き摺りだすしかない。そこら辺はなのは様が得意なので、後編で頑張ってもらおう。

 

今作は、今までの劇場版なのはに比べて戦闘シーンが豪快で過激だったので、全編通してワクワクドキドキしっぱなしだった。フェイトちゃんとリンディ提督がキチンと家族になったシーンも、本当に感極まって素晴らしかった。俺もフェイトちゃんの言葉を胸に刻んで、これから生きていこうと思う。

とりあえずブルーレイを楽しみにしつつ、後編を待つ。

Rootport/女騎士、経理になる

【小説版】 女騎士、経理になる。 (1) 鋳造された自由 (一般書籍)
 

 

 

俺も最近経理になった。

つまり俺も、いや、私も女騎士だ。

私はこの作品に出てくる女騎士さんとは違い、会計の知識はそこそこだが、剣の腕前は素人に毛が生えた程度。

私も仕事でミスった時はわりと頻繁に「くっ...殺せ!」と思っている。

同じ女騎士として、私も日々鍛錬を積んでいこうと思う。

 

作中に出てくる会計の話は、簿記3級でも初歩の初歩。複式簿記とはなんぞやから始まって、B/SとP/Lについての簡単な解説。会計面で我々を導いてくださるダークエルフさんが、時折損益分析や為替手形など、簿記2級レベルの少し難しい話を出してくる程度だ。だからそんなに肩肘張らず、気軽に会計ファンタジーを楽しむことができる。絶妙な塩梅だと思う。

 

読んでて感心するのは、この作品は中世ヨーロッパをベースとした舞台であるため、私たちの地球で営まれていた中世ヨーロッパの時代をキチンと踏襲して書かれている点だ。

例えば、こんなセリフがある。

黒エルフ「なんか怪しいわね〜。外科治療もできないのに髪が切れるの?」

【小説版】 女騎士、経理になる。 (1) 鋳造された自由 (一般書籍)より引用

これは、今で言うところの美容師の仕事が、中世では外科医の仕事の一部だったことに基づいている。他にも、活版印刷を発明するドワーフの名前がグーテンベルクだったりそもそも複式簿記の勃興も中世イタリアが始まりであったことを考えると、この作品の舞台設定は合理的というか、腑に落ちるところがある。

実はもう既に2巻に取り掛かっているけど、会計の話の割合は1巻に比べて少ない。中世ヨーロッパの歴史を擬えるように物語を進めるようで、ロリババアケプラーとか出てくる。続きが楽しみでならない。

私も新入社員に研修する際には、とりあえず女騎士としての自覚を持ってもらうところから始めようと思う。

【雑記】納得は全てに優先すると思う俺の現状

かつて、ジャイロ・ツェペリはこう言った。

f:id:terayuu:20170412210141g:plain

納得は全てに優先するぜッ!!

でないとオレは『前』へ進めねぇッ!

『どこへ』も!『未来』への道も!探す事は出来ねえッ!!

俺の現状はどうだ。

新しい会社に転職してからというもの、最初の数ヶ月は平和な日々を過ごしていた。朝8時半に家を出て、午後5時に退社。夜はTSUTAYAで借りた映画を観たり、家でのんびりゲームや読書をしたり、居合の稽古に精を出したりと、実りある豊かな日常生活だったと思う。しかし、元上司の退職から状況は一変した。元上司の仕事の大半を入ったばかりの俺が引き継ぎ、新しいシステムの導入に伴う調整も俺がやり、大口の顧客の処理を任されたり、今や残業時間は3ヶ月連続で30時間超。仕事の質も量もかつてとは比べ物にならないくらい引き上げられ、大なり小なりミスをしては凹む日々。読書の量も激減してしまって、書こうと思ったネタが浮かんでも中身を仕入れるのに時間がかかる。こうして文章化するのに、2ヶ月近くもかかってしまった。他の同僚はみんな定時に帰る。俺だけだこんな状況なのは。

なんなんだこれは。おかしいだろ。俺は働きたくないんだ。

ツェペリ家の血を継ぐ俺にとって、この状況は見過ごせるもんじゃぁーない。俺は、この現状に『納得』していない。

とはいえ、納得をしようにも考える材料が足りない。そんな時、俺は今までどうしてきたか。本を読むことだ。

まずは「組織で働く」という意味での「労働」について、ルールブックである労働法を齧ってみた。

労働法入門 (岩波新書)

労働法入門 (岩波新書)

 

我が国の労働法では、雇うまでは会社の自由をかなりの程度認めているものの、一度雇ってしまうとクビにしたり減給したり減給を伴う降格処分にするのは、とても厳しい制限が設けられているらしい。また、労働組合が無い会社であっても、ユニオンや裁判所といったセーフティネットが外部にあることが述べられていた。俺が勤めているのは中小企業であり、労働組合が無い。良い職場だとは思っているので、現状、致命傷になるような問題は見当たらない。しかし今後何があるかはわからないので、ちょっと齧った程度とはいえ、外部に命綱があるというのは良い情報だった。追々詳しく調べてみようと思う。

そもそも俺が労働に対して悪いイメージを持っているのは、俺が思春期真っ盛りの頃から、ブラック企業による過労自殺や過酷な労働状況というミクロな面から日本全体の不況というマクロな面まで、日本の社会全体に対する悪い印象を浴びるように摂取していたからだ。それは今も変わっていない。だから、俺は働きたくない。どうしてそんな悪い環境で死ぬようなことせにゃならんのだ。意味がわからない。過労自殺のニュースを見る度に自殺するくらいなら辞めればいいのにと不思議に思うけど、そんな簡単な話じゃないとかいう意見も聞く。でも自殺するよりも難しいことって、世の中あんまり無いんじゃなかろうか。そんなこんなで、俺には労働に対する悪いイメージが、耳の中でゴロゴロいう耳糞のようにこびりついている。

俺は現状について不満を持っており、納得していないけど、ではどんな環境であれば納得するのか。それを明確にしておかなければフェアではない。というわけで、以下に俺の理想の環境を書き出してみようと思う。

①家族との時間を十分に確保できる

俺は思う。社会よりも、まずは家族に必要とされるような人であらねばならない。だから、毎日遅くまで残業して、家族が寝静まってからひっそりと帰宅するなんて生活は絶対に嫌だ。仕事が終わって家に帰って、家族の夕飯を作るくらいの余裕があるのがベストだ。

②インプットの量と質を高める

一日中会社に篭って仕事をしていても、行き着く先はその業務のプロでしかない。しかし、それではアイデアの種が増えないので、いつか必ず、早い段階で成長の限界に達してしまう。会社の業務を改善するために真に必要なのは、会社の中での業務で新しいことにチャレンジしつつ、会社の外でも勉強を怠らないことだ。本を読んでも良いし、会社の外のコミュニティに属してみても良い。家族とのコミュニケーションで英気を養っても良い。そうやって自分が豊かなになったおこぼれを会社に齎すことでこそ、生産性は高まる。

③仕事とプライベートの切り替えをしたくない

よく仕事とプライベートのメリハリをつけろというけど、俺はこの意見については否定的だ。仕事だろうとプライベートだろうと、自分の人生の大切な一部分であることは同じだ。一般的な現代人の人生は、睡眠・仕事・プライベートで三分割されている。この中で、どれが最も大事かということはできない。だからこそ、どれに対しても偏ったウェイトを置くことはしたくない。勿論職場でのマナーなどは守っていくけど、マナーを守らなきゃならないのはプライベートでも同じなので、よくよく考えると、こういった面でも大した違いは無いことに気づく。

 

以上のような条件が揃っていれば、俺は仕事についてというか、自分の人生に対して『納得』するだろう。では、上記の条件を揃えるためには何が必要か。

「時間」である。

会社以外に自分のリソースを割くだけの時間と余裕が、俺には絶対に必要だ。仕事以外に時間を割くことができれば俺自身が豊かになり、結果として会社も豊かになる。だからこそ、俺は何としても定時帰りを定着させなければならない。

でも現状はどうだ。会社に対して時間を割きすぎていて、②の時間が特に減らされてしまっている。由々しき事態だ。

定時帰りを獲得するためには、会社での業務を1つ1つ改善していかなければならない。

業務改善の方法については、もう世の中には腐るほど紹介されている。その中で、俺が今回参考にしたのはこの本だ。

著者はかつて過労死ラインを余裕でぶっちぎるような生活をしていたものの、ある日限界に気付いたのをきっかけに、定時帰りができる仕事の仕組みを構築するように変えていったらしい。

この本で特に参考になったのは、仕事の属人性を徹底的に排除するよう仕向けたことだ。人数が足りていない職場にありがちなのは、その人にしかわからない仕事が多いことである。特に、期限が定められているものは質が悪い。俺が持っている仕事も、こういうものが多い。期限が決まっており、俺しかやり方がわからない。逆に、俺は他の人が何をしているか、概要程度しかわからない。こんな状況では休暇はとても取りにくいし、業務が立ち行かなくなるリスクも高い。

属人性を排除するために著者は「徹底したマニュアル化」「主担当と副担当による2人チームでの仕事」「マネージャーに強制的に帰宅時間を申告させ、それを超過した場合は厳重注意に処す」といった手段により、仕事の仕組み化を進めたとある。

俺はまだ管理職ではなく、権限が小さいのであまり派手な改革はできない。今後隙を見て、俺の仕事をスマート化する手段を模索していこうと思う。